保憲・清明の挿話
1.保憲
あるとき、忠行が祓をするところがあり出かける際、その子で十歳になる保憲が連れて行ってほしいとせがむので一緒に車に乗せてゆき、先方で父が祓をする間、保憲はじっとこれをみていた。さて帰りがけ、車の中で保憲が父に語るには、自分が祓のところでみていると、恐ろしい形をした鬼や怪物が二、三十人並んでいて、供えてある物を食べ、作り物の船・車馬乗っててんでに帰っていったが、あれは何かと聞いたので、彼は今更の如く、子供の才能を見直し、その優れた素質を知って、以後懇切に子供を教育し、立派な陰陽師に育て上げたという。
2.清明
忠行が所用で夜、車に乗って出かけ、清明は車の後からついて行った。そのうち忠行は車の中で寝入ってしまったころ、清明がよく見ると、車の前に恐ろしい鬼どもがやってくるのに気がついた。清明は驚いて車に走り寄り、忠行に告げたでの直ちに目を覚まして、隠形の術を以て危険をまぬがれ、以後、忠行は清明を大切な弟子としてこの道をことごとく教えた。
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