□兵庫県の播磨
兵庫は、3つの道(山陽道、山陰道、南海道)、4つの海(日本海、播磨灘、大阪湾、紀伊水道)をもち、
5つの国(摂津、播磨、丹波、淡路)が1つとなった地域。その南西部に広がるのが播磨です。
□播磨平野の指標
播磨平野は恵まれた穀庫地帯で、米は酒造に適し、小麦は揖保のそうめん、龍野の醤油原料となる。
赤穂の塩は瀬戸内で最も発展。古社寺が多く祭りが盛んであり、そのような風土から料理が生まれた。
□米どころ、麦どころ
市川以西の夢前川、揖保川、千種川の各河川によってつくられた沖積平野の西播磨では、
裏作として小麦の生産がみられ、これが赤穂の塩田からとれる塩と結びついて、
龍野の醤油やそうめんなどの地域産業を発展させた。
□大阪食文化圏の影響
兵庫県の食は大きく、畿内(大阪・京都)食文化圏にある。
・瀬戸内沿岸・・・・大阪圏
・日本海沿岸・・・・京都圏
□上方の「京料理を決めた」といわれる薄口醤油
龍野の薄口醤油は、1688年に商品化され、米こうじを使い、甘酒を加えたうまみは上方の「京料理を決めた」といわれる。
薄口醤油を使った料理は、魚類、野菜などの新鮮な材料の色を損なわず、香りの良い独特の風味をかもしだす。
□白味噌文化圏
薄口の醤油と同じく、野菜をうまく食べる調味料に白味噌がある。
近畿地方を中心として兵庫県南部から瀬戸内を取り囲む中・四国を包む範囲で使用。
□さばずし文化圏(さば街道)
日本海沿岸の若狭のさばを使った京都のさばずしは有名だが、さばずしはむしろ兵庫の方が盛んにつくられており
「さばずし文化圏」が設定できる。
播磨平野のさばは瀬戸内のもので、やはり秋祭りが近づくころ、開いて塩漬にされたものが
姫路市網干から山陽道の「さば街道」を通って毎年決まった家に届けられる。
二、三日重しをしておいてから食べるもので、家によっては「さばのなれずし」と呼ぶ。
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