蘇民將來その2 参考:堀書店刊「神道辞典」
「蘇民將來」とは,疫病除けの神,又は邪気退散の呪符ジュフのことです。「備後風土
記」の逸文に,貧しい兄の蘇民將來ソミンショウライと,富んだ弟の巨旦將來コタンショウライとがあり,
武塔神が南海神の女のもとへ行く途中で宿を求めました。弟は拒絶しましたが,兄は泊め
て優遇しました。武塔神はこれに報いるため,蘇民一家の者に茅チの輪ワを作って与え,
腰に付けさせてその年に流行した疫病から救い,「吾は須戔鳴尊スサノヲノミコトなり」と告げ
られたとあります。現在各地の神社において行われています茅の輪潜クグりの由来譚で
す。この譚ハナシをもとに木製六角形の短い棒に蘇民将来子孫守などと書いて,社寺が正月
十四・十五日に疫病退散の呪符として,頒与することになったと伝えています。また近
畿地方では正月の注連縄シメナワに同様の文字を書き,門に飾っています。 |