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 蘇民将来
 蘇民将来その1                                          参考:祥伝社発行邦光史郎氏著「古事記の謎」毎年,夏越しナゴシ(6月30日)の祭りには,茅チの輪ワを授けたり,神社の入口に大き な茅の輪を作って潜クグらせたり,或いは太刀で蛇形の拵え物を斬り放ったりする神事が 行われます。  これは,吉備キビの国の「風土記」の逸文イツブンに記された蘇民将来ソミンショウライ伝説に基 づくもので,昔,吉備の国に蘇民将来,巨旦将来コタンショウライという兄弟が住んでいました。 兄は貧しく,弟は豊かでした。  するとある日,旅人がやって来て一夜の宿を乞いました。金持ちの弟は,無情にもそ れを追い払い,貧しい兄は喜んで迎えて温かい粟粥アワガユを供しました。  すると翌朝,この旅人が,「われこそは牛頭天王ゴズテンノウ(仏教上の神で,神仏習合 して須佐之男命スサノヲノミコトとも言われています)である」と名乗り,「お前の子孫を疫病 から守ってやる故,蘇民将来の子孫である印シルシとして茅の輪を必ず入口に付けておくが よい」と言って,立ち去りました。  それから間もなく流行した疫病によって,巨旦将来の一族は全滅しましたが,蘇民将 来の子孫は茅の輪のお陰で無事でした。  
蘇民將來その2                                                      参考:堀書店刊「神道辞典」 「蘇民將來」とは,疫病除けの神,又は邪気退散の呪符ジュフのことです。「備後風土 記」の逸文に,貧しい兄の蘇民將來ソミンショウライと,富んだ弟の巨旦將來コタンショウライとがあり, 武塔神が南海神の女のもとへ行く途中で宿を求めました。弟は拒絶しましたが,兄は泊め て優遇しました。武塔神はこれに報いるため,蘇民一家の者に茅チの輪ワを作って与え, 腰に付けさせてその年に流行した疫病から救い,「吾は須戔鳴尊スサノヲノミコトなり」と告げ られたとあります。現在各地の神社において行われています茅の輪潜クグりの由来譚で す。この譚ハナシをもとに木製六角形の短い棒に蘇民将来子孫守などと書いて,社寺が正月 十四・十五日に疫病退散の呪符として,頒与することになったと伝えています。また近 畿地方では正月の注連縄シメナワに同様の文字を書き,門に飾っています。
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